秋田八丈 はまなす工房

制作工程

染料の材料について

ハマナス(浜梨・バラ科)
ハマナス
秋田県内海岸に自生するハマナスの樹皮根を煮出して染汁を抽出し、生絹糸を染めます。秋田八丈の基調色のひとつの鳶色(茶色)に染められます。
鳶八と呼ばれています。
カリヤス(刈安・イネ科)
カリヤス
秋田県に自生する草木を原料とする天然染料。秋田八丈の基調色の一つの黄色に染められます。喜八と呼ばれています。
採取した植物
採取した植物です。

染める

ハマナス・鳶八
ハマナスを大釜に入れ煮ます
ハマナスを大釜に入れ煮ます。
煮出した液汁を漉す
煮出した液汁を漉します。
ハマナス色に染め上がる
ハマナス色に染め上がります。
染め糸を麻袋に詰めて、お湯で煎じる
染め糸を麻袋に詰めて、お湯で煎じます。
糸を二束ずつ角釜の中に並べ染み込ませる
糸を二束ずつ角釜の中に並べ染み込ませます。
仮染めから本染めに
仮染めから本染めに入ります。
糸と糸がつかないよう手を入れながら乾燥(鳶八)
糸と糸がつかないよう手を入れながら乾燥させる(鳶八)
カリヤス・黄八
カリヤスの煮汁
カリヤスを大釜で煮て、煮汁をとります。
水洗いした生糸
水洗いして生糸のノリを取り除いてから染めにはいります。
煮汁に漬け込んで染める
煮汁に漬け込んで染めていきます。生糸に白が染まっていく。
二綛(かせ)を上下に振りながら、繰り返す
二綛(かせ)を上下に振りながら、繰り返します。
糸を竹竿から外し、甕(かめ)の染料が冷めるまで上下させる
糸を竹竿から外し、甕(かめ)の染料が冷めるまで上下させます。
黄八を青味黄(緑系)に染める
黄八を青味黄(緑系)に染めていきます。
黄八に染めてから木酢液で振り染め
黄八に染めてから木酢液で振り染めを行います(色を追加するイメージです)。緑系の色に仕上がります。
黒八を乾燥
黒八を乾燥しています。黒八は、ハマナスや外国の植物ヘマチンによって染めていきます。

整経作業(糸巻き)

整経作業(糸巻き)
整経作業(糸巻き)

整経は、機織り前の重要な工程です。糸くりと言われる作業で、かせ木(糸巻用の木枠)に糸を巻きながら張力を整えます。

かせ木(糸巻用の木枠)に巻かれた染糸
ピンク系や淡いグリーンなどの色の染糸

かせ木(糸巻用の木枠)に巻かれた染糸。ピンク系や淡いグリーンなどの色の染めも行っています。

経糸(縦糸)を張る

経糸を止めます。

織機に経糸を張る
織機に経糸を張る

織機に経糸を張っていきます。

1本1本手作業で綜絖(そうこう)に通す
1本1本手作業で綜絖(そうこう)に通す

1本1本手作業で綜絖(そうこう)*1に通します。幅39cmの反物の場合、通す経糸は1,800本で3〜4日要します。
1 綜絖(そうこう)・・2枚の綜絖枠を動かすことにより、緯糸(横糸)を通します。

筬(おさ)に通す
筬(おさ)に通す

筬(おさ)*2に通します。
2 筬(おさ)・・緯糸(横糸)を手前に寄せるバーです。

経糸(縦糸)完成後、緯糸(横糸)へ

黄八と黒八の縞柄
写真は黄八と黒八の縞柄です。
黒八の鳶八の縞柄
写真は黒八の鳶八の縞柄です。

一反(約13m)を織るのに一週間から10日かかります。緯糸(横)の打ち込みは、自動の杼(ひ)で織りあげます。目を飛ばしたり絹糸が切れたりしないよう目を凝らします。

縞柄(黄八と黒八)の反物
反物 縞柄(黄八と黒八)が織られています。
格子柄(タータンチェック)の試作
格子柄(タータンチェック)の試作を織っています。着尺より幅を約50cmに広くしています。経糸2,230本です。

反物完成

完成した反物
左から(1)黒八、(2)鳶八、(3)黄八の基調色。無地、縞柄、格子柄などシンプルなデザイン。光沢があり着るごとに生地が体になじんでくる着心地の良さが特徴です。
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